「宵ごとに都に出づる油売り更けてのみ見る山崎の月」 「71番職人歌合せ」の7番 「油座」全盛期の室町時代、山崎は油業で栄え大変賑わいのある町でした。 油商人たちは毎日京の都へ油を売りに行ったのですが、仕事を終え山崎に帰る頃にはいつも夜が更けてしまっていた、という様子を歌ったものです。 「山崎のはし見ゆ、うれしきこと限りなし」 紀貫之「土佐日記」承平五年二月十一日の条 当時は淀川が交通の手段として大きな役割を果たしていました。 山崎には「津」と呼ばれた淀川航海の為の港があり、淀川流域における一大要所とされていました。京に向かう途中、山崎津にかかる橋をみた旅人たちは「京まであと少し」と安堵し喜んだということが記されています。 「国盗り物語」 司馬遼太郎 著 離宮八幡宮が油の専売特許を持ち「油座」として栄えていた当時の様子を知ることができます。 前半は素浪人から山崎の油商人となりその冨と策略を駆使してついには美濃国主となった「美濃の蝮」こと斎藤道三という実在の人物を中心に、後半は道三の娘婿である織田信長とその家臣で道三の愛弟子であった明智光秀や羽柴(豊臣)秀吉を軸に話が展開してゆきます。 天王山での天下分け目の合戦や細川ガラシャゆかりの地である勝竜寺城など山崎近辺の歴史的見所が多く登場します。この小説を読まれてから物語に登場する場所を訪ねるのもまた楽しいのでは。 「山崎長者の飛び倉」 「信貴山縁起絵巻」「古本説話集」「宇治拾遺物語」「諸寺略記」より 大山崎に伝わる説話です。ここ大山崎は室町から江戸初期にかけて「山崎千軒寺百軒」と言われ大変栄えていた地域です。「山崎長者」とは荘官または八幡宮神人と考えられます。飛び倉伝説は中国の飛鉢説話からきており、大山崎の宝積寺にも伝わるそうです。アニメーションスタート 「逢坂のかえる京のかえる」 柴田鳩翁 作「鳩翁道話」より 京都府と大阪府の境にある天王山を舞台にした昔話です。 好奇心旺盛な二匹のかえるのお話。 アニメーションスタート |